「6月はひと月だけの展示がやけに集まる。同じ週末に、片方は閉じ、片方は始まったばかり。第2週末がいちばん慌ただしい。」

毎月のことだが、今月はとくにそうだ。5年ぶりに戻ってきたソウル写真フェスティバルが最後の2週間を残し、その横でひと月ほどの短期・中期のグループ展が、列をなして始まりと終わりをそろえている。ルートの組み方ひとつで、ひと月が決まる。1か月以内に終わるものから整理する。

1か月以内に閉じる六つの展示

〈ハン・ガンを見る:麗水、夕方、菜食主義〉のポスター。モノクロの人物写真を中央に置き、左に赤い夕焼け、右に強烈な赤紫の花が両脇を支えている。
Kim Nam-ho・Jo Seong-gyeong・Park Tae-jin〈ハン・ガンを見る:麗水、夕方、菜食主義〉。釜山ギャラリー、6.2 – 6.14。

Kim Nam-ho・Jo Seong-gyeong・Park Tae-jin、〈ハン・ガンを見る:麗水、夕方、菜食主義〉(한강을 보다 — 여수, 저녁, 채식주의)
釜山ギャラリー。6.2 – 6.14。作家との対話 6.6(土)14:00。
ハン・ガンの文学を写真で読み直すグループ展。Kim Nam-hoが短編〈麗水の愛〉(여수의 사랑)を50点のモノクロ写真に、Park Tae-jinが〈菜食主義者〉のヨンヘを強烈なカラーに、Jo Seong-gyeongが詩集〈引き出しに夕方をしまっておいた〉(서랍에 저녁을 넣어두었다)を赤い夕焼けと夕暮れのイメージに移した。企画はKim Nam-ho。

〈MONOLOGUE〉のポスター。暗い背景に、雨に打たれながら背を向ける人物の上半身が浮かび、左にMONOLOGUEという縦組みの文字がある。
Youngkwi Choi写真展〈MONOLOGUE〉。Gallery Toma(大邱)、6.2 – 6.17。

Youngkwi Choi、〈MONOLOGUE〉
Gallery Toma(갤러리토마、大邱)。6.2 – 6.17。オープニング 6.2 17:00。
ひとりごとのトーン。雨に打たれる一人の背中がメインイメージ。個展。

〈小さな顔たち、ひとつの世界〉のポスター。夕暮れの通りで、子どもたちがカメラに向かって駆けてくるモノクロ写真。
Jo Young-shin招待展〈小さな顔たち、ひとつの世界〉。Riart Center(光州)、6.4 – 6.26。

Jo Young-shin招待展、〈小さな顔たち、ひとつの世界〉(작은 얼굴들, 하나의 세계)
Riart Center(리아트센터)1階(光州市東区宮洞16-3)。6.4 – 6.26。
小さな単位の顔たち。集まればひとつの風景になり、ばらして見ればそれぞれの世界になる。企画はNamgung Yo監督。

〈深さを求める表面 Surfaces Desiring Depth〉のポスター。紫と青の円盤が縦に積み重なってできた渦巻き状のグラフィックの上を、黒い玉が落ちていく。
2026 KOWPA企画展〈深さを求める表面〉。Ha Gallery、6.4 – 6.13。

2026 KOWPA企画展〈深さを求める表面 Surfaces Desiring Depth〉(깊이를 탐하는 표면)
参加:Kang Ji-mi・Kim Mi-ja・Lee Young-hwa・Jeong Ok-young・Ha Ji-young・Blonde Jenny。企画:Lim An-na・Han Ki-ae。主催:韓国女性写真家協会(KOWPA)。
Ha Gallery(하갤러리、ソウル市瑞草区馬房路6ギル8-45)。6.4 – 6.13。12:00 – 18:00。オープニング 6.4 17:00。

〈Objects in Oscillation〉のポスター。器・植物・ナット・薬瓶・赤いガラスのグラスなど、物の写真9点が格子状に並んでいる。
〈振動する事物たち Objects in Oscillation〉。国際ギャラリー、6.9 – 7.19。

〈振動する事物たち Objects in Oscillation〉(진동하는 사물들)
参加:Koo Bohnchang・Koo Sung-yeon・Kim Kyoung-tae・Kim Su-kang・Park Chan-woo・Jeong Jeong-ho・Jung Hee-seung・Cho Sun-hee・Jo Sung-yeon。
国際ギャラリー。6.9 – 7.19。
物を静物の形式ではなく、振動の状態として見る。Koo Bohnchangが長く扱ってきた物の手ざわりを、同時代の写真家9人がともに受け継ぐ場。1か月以内に閉じるわけではないが、6月の流れの真ん中に置かれるグループ展なので、同じ括りに入れた。

〈OLD PARIS〉のポスター。雨の降る古いパリの通りで、雨合羽を着た人物が自転車を押していくモノクロ写真の上に、OLD PARISという大きな文字が載っている。
Kim Mi-jeong・Lee Seon-hwa〈OLD PARIS〉。Lookinside Gallery、6.17 – 6.29。

Kim Mi-jeong・Lee Seon-hwa、〈OLD PARIS〉
Lookinside Gallery(룩인사이드 갤러리、ソウル市江南区新沙洞 島山大路17ギル30-1 2階)。6.17 – 6.29。オープニング 6.20 17:00。
パリを見つめ直す二人の作家の組み合わせ。古い街の表情は、どんなトーンに移されたのか。

公共企画・フェスティバル

〈1987 駅村洞に住むソウル市民J氏の民主抗争参加記〉のポスター。1987年の地下鉄の車内で、眼鏡をかけた中年の男性が新聞を手に窓の外を見ているモノクロ写真の下に、大きく1987の文字がある。
Jo Mun-ho写真展〈1987:駅村洞に住むソウル市民J氏の民主抗争参加記 / How the World Transforms〉。Gallery Index、6.3 – 6.15。

Jo Mun-ho写真展、〈1987:駅村洞に住むソウル市民J氏の民主抗争参加記 / How the World Transforms〉(1987 — 역촌동 사는 서울시민 J씨의 민주항쟁 동참기)
Gallery Index(갤러리 인덱스、仁寺洞ギル45 3階)。6.3 – 6.15。レセプション 6.3 17:00。
Jo Mun-hoが1987年6月の一人の人物を追いながら撮った記録。一市民の視点から見直す、あの年の6月。

〈時間が流れても未来にはならない〉のポスター。グレーのトーンでぶれた都市風景の上に、韓国語と英語のタイトルが散らばっている。
Chunsoo Kim〈時間が流れても未来にはならない / The Future Won't Happen on Its Own〉。Amado Art Space、5.29 – 6.28。

Chunsoo Kim、〈時間が流れても未来にはならない / The Future Won't Happen on Its Own〉(시간이 흐른다고 미래가 되지 않는다)
Amado Art Space(아마도예술공간)。5.29 – 6.28。
時間の流れと未来とのあいだのずれ。流れたからといって、たどり着くわけではない。

ソウル写真フェスティバル〈カムバックホーム〉は冒頭に別に置いた(ソウル市立写真美術館、4.9 – 6.14)。5年ぶりに戻ってきたフェスティバルだ。家を単なる住まいではなく、記憶・関係・感情が積もった場所として見る。23人の作家が「家をなすもの」「移動する家」「道の上で」「私たちの家」の四つのセクションにまとめられる。6月第2週末(6.14)が最終日だ。

夏まで続く五つの展示

〈elegy of beauty 美しさの哀歌〉のポスター。グレーの地の上に、小さな星形のドライフラワーが盆地のように広がるモノクロ写真と、美術館のロゴdatz museum of art。
〈elegy of beauty 美しさの哀歌〉。datz museum of art、4.4 – 8.2。

〈elegy of beauty 美しさの哀歌〉(아름다움의 애가)
参加:Linda Connor・Mary Daniel Hobson・Sal Taylor Kydd・Christina McFaul。
datz museum of art(닻미술관)。4.4 – 8.2。
4人の写真家が「美しさとは何か」という問いに、それぞれの視線で答えを持ち寄る。

〈SERIOUSLY NOT SERIOUS〉Max Siedentopf個展のポスター。左は便器の中から顔を出す男、右は屋外で自動車5台を縦に積み上げた写真。大きな赤い文字でSERIOUSLY NOT SERIOUS。
Max Siedentopf〈SERIOUSLY NOT SERIOUS〉。グラウンドシーソー・セントラル、3.27 – 8.30。

Max Siedentopf、〈SERIOUSLY NOT SERIOUS〉
グラウンドシーソー・セントラル(그라운드시소 센트럴)。3.27 – 8.30。
オランダ出身の作家によるアジア初の大型個展。写真・映像・彫刻・インスタレーションを横断しながら、ユーモアの皮をかぶせて現実の本質を見直す。

〈SEED STORIES〉Thierry Ardouinのポスター。左に小さな茶色の花びらと青い種3粒をクローズアップした写真、右に韓仏国交140周年のロゴと作家名。
Thierry Ardouin〈SEED STORIES〉。GoEun写真美術館、4.23 – 8.30。

Thierry Ardouin、〈SEED STORIES〉
GoEun写真美術館(고은사진미술관、釜山)。4.23 – 8.30。韓仏国交140周年記念展。
走査電子顕微鏡で拡大した世界各地の種のイメージが、農業・制度・人間の欲望を横断する。

〈動く島、クジラ Moving Island, Whale〉の作品イメージ。水面近くで頭をもたげたマッコウクジラと、その下で仰向けに浮かぶダイバー一人を一緒に収めたモノクロの水中写真。
Jang Nam-won〈動く島、クジラ Moving Island, Whale〉。慶州ソルゴ美術館、5.11 – 9.13。

Jang Nam-won、〈動く島、クジラ Moving Island, Whale〉(움직이는 섬, 고래)
慶州ソルゴ美術館(솔거미술관)。5.11 – 9.13。
1992年から30年あまりクジラを追ってきた、韓国でただ一人のクジラ写真家。生涯の記録を集める。80年代、接写中心だった韓国の水中写真界に、広角レンズを持ち込んだ作家だ。

「今月は第2週末がいちばん慌ただしい。6月13日に〈深さを求める表面〉が真っ先に閉じ、翌14日に〈ハン・ガンを見る〉と〈カムバックホーム〉が、15日には〈1987 駅村洞〉が相次いで会期を終える。第3週末には〈OLD PARIS〉が始まり、〈MONOLOGUE〉が幕を下ろす。」

まとめ

リストの出典はInstagramの@sajinyesul_photoartと@soonjeong.classによる6月のキュレーション。各ギャラリーの開館時間と休館日は事前に確認してほしい。情報の変更が確認できしだい、この記事に追記する予定だ。